東京 地下駐車場で4人死亡 通常濃度の数百倍の二酸化炭素検出

東京 地下駐車場で4人死亡 通常濃度の数百倍の二酸化炭素検出
2021年4月16日 6時50分 NHK地方局

15日、東京・新宿区のマンションの地下駐車場で、天井の張り替えを行っていた作業員の男性6人が中に閉じ込められ、このうち4人が死亡しました。
現場からは通常の空気中の濃度の数百倍にあたる二酸化炭素が検出されたということで、警視庁は駐車場の消火設備が何らかの原因で誤作動した可能性があるとみて調べています。

15日午後5時すぎ、新宿区下落合にあるマンションの地下駐車場で、天井の石こうボードの張り替えを行っていた作業員の男性6人が中に閉じ込められました。
1人は自力で外に出て無事でしたが、警視庁によりますと、残りの5人のうち、30代から50代とみられる4人が死亡したということです。
また、もう1人も意識不明の状態で病院に搬送され、手当てを受けています。
現場の駐車場には二酸化炭素を放出するタイプの消火設備があり、現場に到着した東京消防庁が測定したところ、20%を超える濃度の二酸化炭素が検出されたということです。
これは通常の空気中の濃度の数百倍にあたり、総務省消防庁によりますと、10%以上になると数分以内に意識がなくなり、放置すれば死に至ることもあるということです。
警視庁は消火設備が何らかの原因で誤作動した可能性があるとみて、16日、現場検証を行って詳しい状況を調べることにしています。

麻布消防署の元署長で市民防災研究所の坂口隆夫理事は「二酸化炭素を放出するタイプの消火設備が起動した場合、サイレンが鳴って避難を呼びかけるアナウンスが流れ、さらに20秒ほどたってから二酸化炭素が放出される。誤って起動した場合でも緊急停止用のボタンを押せば二酸化炭素は放出されず、今回、現場で作業をしていた人は設備について詳しく知らなかった可能性がある」と指摘しています。
そして、「二酸化炭素を放出する消火設備の近くで工事などを行う場合、誤作動を防ぐために専門の知識を持った消防設備士などが立ち合う必要がある。これまでの死亡事故では資格を持った人が立ち合っていないケースが多く、今回の事故についても安全管理が十分だったか検証する必要がある」と話しています。

二酸化炭素を放出する消火設備について、消防防災に詳しい東京理科大学の小林恭一教授は「誤って操作しないように通常、放出するスイッチにプラスチックの覆いがあって、割らないとスイッチが入らないようになっているが、過去の事故では慌てて作動させてしまったり間違って操作してしまうことがあった」としています。
そのうえで、「今回の事故は、聞いただけではどういうことが起きたのかわからないので、どういう状況で二酸化炭素の放出が起こったのか詳しく解明をしてほしい。点検する人たちにその情報を広く伝えていくのが次の事故を防ぐためにも重要だ」と話していました。
また、多くの消火設備では二酸化炭素が使われているということで、その理由について小林教授は「消火設備では安全性が高いといわれる窒素を使うものなどもあるが、ボンベの数が増えてコストが高くなってしまう。二酸化炭素はボンベの数も少なく済むのでそれを選択するのだろう」と指摘しています。